私のマジメに笑える話し‼︎

30代女性「ユキミ」の笑える日常! 仕事 育児 障害 などなど。

つづき。恐怖の面接…。

つづき。

マニアイマセン、の一言を聞き、覚悟を決めて電車を降りた。


最後の望み

タクシーに私の人生を賭けた。


ゼーゼーと荒い息づかいで運転手さんに、  

「試験に遅れそうなので急いでお願いしたいですー!」と叫んだ。


運転手さんマニアイマスカ?

マニアイマセン。


回答は早かった。

遅刻は決定した様子。


私「どれくらいで到着しますか?」

運転手さん「ちょっと待ってね。」


何かをゴソゴソ探している。何か秘策でもあるのか。

おもむろに出したのはiPhone

今のご時世  IT社会 。これが秘密兵器かー。

ありがとう運転手さん。

私の命を捧げるよ。


運転手さんの人差し指が輝いて見えた。液晶画面をソフトタッチ。


エッエッエッエッ。

タッチしたのは「マップ」アプリ。

私と同じ画面を運転手さんも見ている。


運転手さん「30分はかかるね。」

私「はい。…。(軽く私のマップ画面を運転手さんに見せる)」「抜け道とかは」

運転手さん「迷うといけないから。」

私「ま よ うー⁉︎マップ通りでお願いします。」


この調子だと集合時刻より20分遅れることが決定した。


運転手さんには急いで会場まで向かっていただき、車内で面接会場へ電話した。


人事「あとどれくらいで到着しますか?」

私「30分程です。」

人事「…。わかりました。」


何がわかりましたかなのか、わからないまま電話は切れた。

試験は受けられるのか受けられないのか、どちらなのか。

向かうしかない。


タクシーの運転手さんに、試験に遅れそうっていうお客さんは他にもいますか?などと聞いてみた。


すると、飛行機に乗り遅れた新婚旅行夫婦の話。

奥さんの出産にギリギリ間に合わず、タクシー内でおめでとうございますと言った話。

など、なぜかやってしまった談を大声で笑って話す…。


気持ちを切り替えよう。私の聴き方がまずかった。


私「集団討論があるんですよ。個別面接ならまだしも、集団討論は遅刻したらさすがに受けられないですよね。」と運転手さんに同調して笑顔を見せてみた。


運転手さん「討論なんて盛り上がったところで入っていった方が話しがしやすいだろ。」


唖然とした。

討論の途中に割り込みしろと言うのだ。


運転手さん「俺なんて50歳過ぎてタクシー業界入ったけど、それまで100回以上面接落ちたよ。それでもなんとか生きとる。大丈夫や。」


運転手さん「人には ご縁 ってもんがある。この仕事をやっとるとよく分かる。」


なぜか、運転手さんの言葉に納得した。吹っ切れた。


私「タクシーの運転手さんをされてどれくらいですか?」

運転手さん「まだ3ヶ月や」


うそやん。うそやん。人生悟っとる振りして、まだ3ヶ月かい。

新婚夫婦の話はなんや。聞いた話かい!

なんか訳がわからん笑いがおさまらん。


面接会場の会社に着いた。

運転手さん、どこに停車するのかと思ったら、まさか正面玄関の自動ドア前へドリフト停車。


カッコイイ。


いやいや。まずい、まさかこんな場所に爆音出して停めるとは。

ただ仕方がないため急いで支払いを済ませてお礼を言った。


受付の綺麗なお姉さんが、就活者と丸わかりの私を、引きつった眼差しで見ている。


指定の部屋までダッシュ。

階段を上がった正面が面接の部屋だ。


人事の方が、偉い感じの人と話している。よく見ると社長‼︎

社長じゃないですか。


人事「はじめましょうか。」

社長「そんな奴待たなくていい。」

その会話の最中に私到着。


人事「キミが」

社長「キミかー。」


私「大変申し訳ございません。」


よく見ると、副社長やとても偉い方が勢ぞろい。


右手には、集団討論のグループメンバーが軽蔑の眼差しで勢ぞろい。


私「(小声で)申し訳ございません。」

社長「並んで全員入れー。」


その後の経過はご想像通り。

ただ、不合格が決定した私は、緊張と怒りで震えるメンバーを横目に、一人のびのびと発言し、足早に会場をあとにした。


そ、それが、何かのミスで、次の個別面接に進める通知が来た。


うそやん。うそやん。なんでなん。


次の個別面接については次回につづく‼︎